高畠達四郎
小山敬三 二人展
日動画廊銀座本店 : 2025.2.28 (金)-3.12 (水)
「高畠達四郎・小山敬三 二人展」のご案内を申し上げます。高畠と小山は1920年代、ともに長くフランスで学び、帰国後それぞれ高畠は独立美術協会、小山は一水会を結成し、日本近代洋画壇を牽引いたしました。高畠の主な主題は風景で、自然を親密的に描く絵画を探求、その力強くも素朴な表現は、今なお私どもに詩情というものをつたえてくれます。小山の終生の主題は「浅間山」ですが、西欧で学んだ油画技法に単に日本的要素を加えることなく「西洋」と「東洋」の伝統の本当の意味での『融合』を目指し完成させた画家と言えましょう。
この二作家をはじめ、戦前より渡仏し、日本近代洋画壇を代表する作家たちはみな、現地で学んだ西洋絵画の技法を用い、いかに自身の絵画として完成するかにそれぞれ並々ならぬ追求をしてまいりました。その悪戦苦闘ともいえる彼らの励みがあってこそ、現在の洋画界、そしてわたくしたち日本人の感性が育まれてきたのではないでしょうか。多様な芸術表現が生まれ続けるいまこそ、そのことに立ち返り、彼らの偉業をじっくりとご高覧いただきたく存じます。