「野獣派の旗手たち -ヴラマンク・里見勝蔵・佐伯祐三-」のご案内を申し上げます。
野獣派(フォーヴィズム)は20世紀の初めにフランスで起こった絵画運動です。ゴッホやゴーギャンら後期印象派の作品に刺激された若き画家たちが、原色を主とする激しい色彩と大胆な筆致で、荒々しくも力強い作品を描きました。その運動は作家がそれぞれ独自の表現を探求する流れにより数年で解散となりましたが、その後日本では、野獣派の作品に受けた日本人画家たちがフォーヴ的な作品を描くようになり、野獣派を基調とした「1930年協会」を結成。フランスで生まれた野獣派運動は、日本の画家たちによって「日本的フォーヴィズム」と呼ばれる新しい潮流を生み出しました。
野獣派作家を代表するヴラマンク、またヴラマンクに指導を受け野獣派に傾倒するも独創的な作品を追求した里見勝蔵、そしてヴラマンクから作品に対する叱責を受けたのち、その挫折から立ち上がるべく対象物の質感表現を模索つづけた佐伯祐三。本展ではこの三作家に焦点を当て、それぞれの影響関係とその後の画風の変遷、また野獣派が日本近代洋画史にもたらした大いなる功績をご覧ください。